MorselFlow

家庭の食品ロスを考える

家庭の食品ロスは、捨てる前に始まっている

家庭で一つの食品が捨てられるまでには、複数の出来事が重なっています。家族による買いすぎや作りすぎ、予定変更、冷蔵庫での見落としが、最後の廃棄につながります。

国連環境計画(UNEP)は、2022年に家庭、外食、小売から出た食品廃棄物を世界で10.5億トンと推計しました。そのうち約60%は家庭から出ています。家庭分を人口で割ると、世界平均で一人あたり年間79kgです。

家庭60%、外食28%、小売12%。

79kg/人・年

家庭から出る食品廃棄物の世界平均。皮や骨など食べられない部分も含む

2022年の世界推計。食品廃棄物には可食部だけでなく、皮や骨など地域によって食べられるかが異なる部分も含まれます。出典:UNEP「Food Waste Index Report 2024」

家庭の買い物、保存、調理のずれが、一つの廃棄につながる。

家族が予定より多く食品を買うことがあります。予定外の外食で、自宅で食べる回数が減ることもあります。冷蔵庫の奥にしまった食材を忘れたり、料理を多く作って食べ切れなかったりする場合もあります。

記録する人が廃棄した瞬間だけを振り返っても、次に変える場所は見つかりにくいものです。予定がどこでずれたかまで振り返ると、買う量、保存場所、作る量など、具体的に試すことが見えてきます。

10.5億トンには、皮や骨など食べられない部分も含まれる。

UNEPは国や地域を比べるため、食べられる部分と、皮や骨などの食べられない部分を合わせて集計しています。10.5億トンのすべてが、手をつけていない料理だったわけではありません。

前回の報告より数字が増えて見える点にも注意が必要です。調査できた国とデータが増え、推計方法も変わったため、世界の食品ロスが同じ割合で悪化したとは判断できません。

家庭から60%が出たという推計は、家庭だけで解決できるという意味ではありません。

UNEPの10.5億トンは、消費者へ食品が届いた後の小売・外食・家庭を集計した数字です。その前の収穫後から小売までには、別に約13%の食品損失があるとされています。

家庭で捨てられた食品にも、販売単位、包装、日付表示、外食の量、生活予定の変化が関わります。家庭の行動は重要ですが、小売や外食、行政と切り離して60%だけを個人の責任にする読み方はできません。

三日間だけ、家庭で「何を、なぜ捨てたか」を分けて記録する。

記録する人は、まず皮や骨など食べられない部分と、まだ食べられた部分を分けます。食べられた部分には、「買いすぎ」「予定変更」「作りすぎ」「保存場所を忘れた」「期限表示が不安だった」など、捨てた理由を一つ添えます。

三日後、記録した人は回数が多かった理由を一つだけ選びます。家族が料理を作りすぎたなら次回の量を減らし、食品を見落としたなら冷蔵庫の置き場所を変えます。重量を正確に測るより、同じ理由が繰り返されているかを見つける方が、最初の改善につながります。

UNEPも、食品ロスを減らす出発点として測定と基準づくりを重視しています。ただし三日間の記録は世界統計を再現する調査ではなく、自分の家庭で次に変える場所を探すための簡易な観察です。

三日間で同じ理由が二度出たら、家族は次の一週間に一つだけ対策を試します。作りすぎが続いた家庭なら、一度に作る量を変えます。見落としが続いた家庭なら、冷蔵庫の置き場所を変えます。一週間後、記録した人は同じ食品を捨てなかった日が増えたかを確認できます。この記録は、家族を責めるためではなく、次に変える場所を絞るために使います。

食事写真は、家族が昨日の料理を思い出す手がかりになる。

MorselFlowには、冷蔵庫の在庫や捨てた食品を計測する機能はありません。食品ロスを確かめたい利用者は、捨てた食品を別に記録する必要があります。

一方、食事写真は、家族が作った量や前日の料理を思い出す補助になります。利用者は、写真で振り返れる食事と、別の記録が必要な廃棄を分けて扱えます。

本記事は研究・統計を一般向けに紹介するもので、個人の診断・治療・栄養指導を目的としません。研究結果は対象者と条件に依存し、すべての人に同じ結果を保証するものではありません。